震災後の取り組み

3.11 東日本大震災で果たした安定供給

震災後の安定供給に全力

2011年3月11日14時46分東日本大震災が発生しました。

当社はこの日もガスパイプラインを通じて宮城、山形、福島県内の都市ガス事業者や大口お客さまに天然ガスを供給していました。

パイプラインには被害がなかったため、地震発生後もガスを受け入れていたお客さまにはガス供給を継続しました。

当社パイプラインの監視業務をしている仙台事業所は仙台港にありますが、地震発生から1時間近く過ぎたころ、津波が押し寄せました。

仙台事業所1階にあった遠隔監視制御装置は水没し機能が失われ、仙台市青葉区にある本社のバックアップ用監視制御装置も停電により使用できない状態となりましたが、基幹パイプラインを監視している石油資源開発株式会社 長岡事業所の監視センターの支援により、送ガス状況の把握を行いました。

震災翌日には停電の復旧により本社での遠隔監視制御が可能となり、仙台事業所の業務再開までの約3ヶ月間、本社社員による24時間体制での監視業務を続けました。その間、地震被害などによりガスの受け入れを停止されたお客さまには、受入態勢が整い次第供給を再開していきました。

仙台市ガス局への代替供給

当社のお客さまのなかでも、特に緊急を要したのが仙台市ガス局でした。当社は仙台市ガス局のガスの約3割を供給していましたが、約7割を製造している港工場(LNG基地)が津波で甚大な被害を受け、復旧には相当の期間を要する状態であったため、港工場で製造していたガスについても新潟からのパイプラインにより代替供給することになりました。

早期送ガスに向けて、当社とパイプラインを所有する石油資源開発株式会社、仙台市ガス局の三者によるプロジェクトチームを3月19日に立ち上げ、東北電力株式会社からのLNG追加調達の支援を受けて、3月23日にはガス供給を再開し、被災地の人々の暮らしを支える一助になることができました。

LNG供給のお客さまへの代替供給

仙台市ガス局港工場のローリー出荷設備も被災し、お客さまへのLNG出荷ができなくなりました。そのため、当社は安定供給を維持すべく、輸送会社などの関係者と調整を行い、日本海エル・エヌ・ジー株式会社 新潟基地からの代替出荷を急遽手配し、LNG供給の途絶を防ぐことができました。

安定供給のための設備増強

被災した仙台事業所の復旧作業においては、災害に強い設備を目指して、監視制御装置の2階への設置や扉の密閉度向上など浸水・冠水防止対策を講じました。また、福島地区の受渡バルブステーションへの衛星回線を使用したバックアップ通信設備設置や、山形ガス株式会社 白山工場への監視制御装置バックアップ機能付加などを行い設備強化に努めました。

復旧した仙台事業所 監視制御設備
復旧した仙台事業所 遠隔監視制御設備